映画っていうのはだいたい「正義」の良い奴らが「悪」の悪い奴らを倒すストーリー。
だがこのDCコミックの『スーサイドスクワッド』は一味違い「悪」を「悪」が倒すストーリー。「正義」対「正義」みたいなのはあったけど今回の「悪」対「悪」はなかなか、なかったんじゃないかな。
目次
【スーサイドスクワッドの意味とは?】
スーサイドスクワッドは英語で書くと「Suicide Squad」。Suicideには「決死の」とか「自殺」という意味があり、「Squad」は軍団という意味。
スーサイドスクワッドの意味で「決死の集団」とか「自殺集団」とか伝わりづらい表現で書いてるサイトとかあるけど、わかりやすく言うと「やるしかない!」って感じがニュアンス的に一番近いかも。ストーリー的に。映画を見たらわかると思うが別に皆覚悟決め戦いに行ってなければ、自殺しようとしてる登場人物は一人もいない。なのに自殺集団とか適当に訳されても・・・。
スーサイドスクワッドのメンバーは政府に強制的に招集され、さらに首に爆弾を仕込まれてしまい逃げることが許されない状態。そして謎のテロリストと戦ってこいといわれるがそこにはテロリストではなく謎の化け物がうようよ。
「悪」対「悪」だが正確には「悪」対「悪」に仕向けようとしているもう一つの「悪」(政府)が存在し、正しくは「悪」対「悪」対「悪」なのかも。
【登場人物】
DCコミックの悪者勢揃い!を謳っているだけに有名どころばかりかな!?と思ったが意外とそうでもない。
むしろ知る人ぞ知るぐらいの登場人物ばかりではないだろうか。
ハーレイ・クインとジョーカー
スーサイドスクワッドには登場人物が多いが、後に単独映画化されたのはこの2人だけである。
ジョーカー
今作品のメインであるスーサイドスクワッドのチームには含まれずハーレイ・クインとの絡みでサブ的に登場する悪のカリスマ。
映画【バットマン ダークナイト】で登場し史上最高の悪役と言われ非常に悪名高い。【バットマン ダークナイト】で狂気のジョーカーを演じたヒース・レジャーに代わり今作でジャレッド・レトーが演じたジョーカーは非常に綺麗め。ヒース・レジャーと比べてしまうと狂人さが物足りない感も否めないがイカレ具合はハンパない。バットマンによって捕まり精神病院に入院していたジョーカーの魅力は担当医であったハーレイ・クインをも魅了してしまい悪の道に染め上げてしまう。
2019年10月単独映画公開
ハーレイ・クイン
精神科医ハーリーン・クインゼル博士。今作、スーサイドスクワッドの主役ではないかと錯覚するほどの大人気のマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クイン。この映画公開後のハロウィンやイベントではこのハーレイ・クインのコスプレを非常によく目にする。
もともとはバットマンの活躍するゴッサムシティの精神病院アーカム・アサイラムの精神科医。バットマンが捕まえてきたジョーカーの担当医をしているうちに悪のカリスマであるジョーカーの魅力に翻弄され悪の道に堕ちる。本当に医者だったのか?と疑うほどの運動神経と格闘センスの持ち主。今作品スーサイドスクワッドでは主にバットを武器として暴れまわる。
デッドショット
冷酷非情の殺し屋であり狙った獲物は絶対に逃さない凄腕のスナイパー。
本来であればウィル・スミス演じるこのデッドショットが主人公。エンドクレジットでも一番最初に名前が出るし。しかし、ジョーカーとハーレイ・クインのインパクトが強すぎて主人公としての存在感が危ぶまれる。
デッドショットはスーサイドスクワッドで登場するよりも前にDCコミックの作品を映像した海外ドラマARROWで登場し、演じていたのはカナダの俳優でミュージシャンでもあるマイケル・ロウ。私も含めて先にARROWを見ていた人間からしたらウィル・スミス演じるデッドショットは優しくて真面目すぎる。
マイケル・ロウ演じるARROWに登場したデッドショットは本物の冷酷で非情で殺しに徹底した狂人でした。天涯孤独の独り身で一匹狼だと世界中に思わせていたが実は、その素顔は家族思いのめちゃくちゃハートフルな人間。殺し屋である自分に家族がいることがバレると家族に危険が及ぶかもしれないという考えから家族の存在は絶対にバレないようにしていたし自分が殺し屋ということすら隠し通していた。(ARROWの主人公オリバー・クインにだけは見抜かれていた。)
それを考えると今作品のウィル・スミス演じるデッドショットは娘の前でバットマンに向かって銃を抜くわ、作品中でも娘娘と家族の存在もろバレするわで悪になりきれていないように感じる。
ちなみにこの世界一の殺し屋デッドショットはバットマンにより捕まった。
【エンチャントレス/ジューン・ムーン】
エンチャントレスは古代の魔女で、ジューン・ムーンは考古学や。ジューン・ムーン博士がジャングルを探検中に封印されていたエンチャントレスを開放してしまい乗り移られる。
しかしエンチャントレスの心臓は政府の高官ウォラーに奪われエンチャントレスは政府の言いなりに。
ジューン・ムーン博士の人格は常に奪われているわけではなくエンチャントレスと交互に入れ替わる。
エンチャントレスは瞬間移動のような魔法も使えるため隙を見てウォラーから心臓を奪い返し、政府を裏切り世界を自分のものにしようとする。
同じく封印していた弟インキュバスを開放し街で暴れまわる。
エンチャントレスは人間を化け物に変えてしまう能力をもっていて、化け物に変えられてしまった人間たちが主人公たちを襲う。
スーサイドスクワッドはあまりの展開の速さに、誰と戦っているのかを忘れてしまいそうになるが間違いなく今回最大の敵。
【アマンダ・ウォラー】
政府の高官。前作バットマンVSスーパーマンでも出演。
DCコミックの世界ではスーパーマンのようなスーパーパワーを持つ宇宙人や、メタヒューマンといった突然変異によってスーパーパワーを手に入れた人間など政府の力では到底かなわない存在が明るみに出てきた。スーパーマンは人間に味方だから良かった、もしスーパーマン以上の宇宙人が地球を襲ってきたら?という今後宇宙人やメタヒューマンが人間の敵に回った場合のために今回のスーサイドスクワッドを結成。
死刑や終身刑が確定している犯罪者をチームに向かえ減刑を条件に招集するが、実際にはスーサイドスクワッドのメンバーには首に爆弾を埋め込み逃げられないように支配する。
古代の魔女エンチャントレスの心臓を手に入れ自分の支配下に置いていたつもりだったが、油断した隙に心臓は奪い返されエンチャントレスは今作品の敵となる。
ウォラーは非常に残忍な性格で機密を守るためなら仲間をも平気で殺す。
【チャトゥ・サンタナ(ディアブロ)】
元LAのギャング。炎を操るメタヒューマン。
自身の過失により家族を殺してしまう。以来臆病になり非常に大人しい性格。
スーサイドスクワッドに招集されてからも自分は戦いたくない、と行動はともにするが銭湯には参加せず。
しかし、あまりの敵の多さに他のスーサイドスクワッドのメンバーだけでは戦いきれなくなったところで、デッドショットに焚きつけられ能力を使い敵と燃やし尽くす。敵の化け物たちは一瞬で黒焦げの灰になり、スーサイドスクワッドの仲間のメンバー達も唖然とする。
基本的に人間の姿のまま炎を操って敵と戦うが、最大の敵であるエンチャントレスの弟インキュバスと戦うときは炎をまとい悪魔のような姿で戦う。
最初はだれとも戦いたくないと消極的なディアブロだったが、最後の戦いのシーンでは「もう誰も失いたくない」といつの間にか絆が芽生えていたスーサイドスクワッドのメンバーを守るために自身の命を顧みず戦う。
【リック・フラッグ大佐】
ウォラーの部下でアメリカ陸軍特殊部隊に所属。
スーサイドスクワッドをいう犯罪者を戦わせるチームに納得いってないようで必要であれば自分が特殊部隊から最強のメンバーを集めるとウォラーに提案するも却下される。
スーサイドスクワッドのメンバーで唯一犯罪者ではない存在でありスーサイドスクワッドのメンバーをまとめるリーダー。
エンチャントレスに乗り移られたジューン・ムーン博士の恋人。作品中ではウォラーの思惑で2人を恋人になるように仕向けたようなシーンがあり2人が付き合うのもウォラーの計画のうちだったようだ。
【カタナ】
日本人女優の福原かれん演じるカタナ。
文字通り日本刀を武器に戦う女戦士。やくざに殺された夫の魂を日本刀に宿し戦う。
スーサイドスクワッドのメンバーではなく、リーダーであるリック・フラッグの護衛。
【キラー・クロック】
スーサイドスクワッドのメンバーで外見が一番人間離れした存在。
ワニの遺伝子を持ち鱗のような皮膚は弾丸をも通さない。
普段は下水道に住んでいる。ラストの爆弾を運ぶシーンでは、水中を移動するために酸素ボンベの準備などに手間取っている特殊部隊のメンバーをよそに1人で颯爽と泳いでいく。
【キャプテン・ブーメラン】
文字通りブーメランを操る犯罪者。
ブーメランを巧みに操り、最後のエンチャントレスのビルの中の様子を探るため投げたブーメランには小型カメラが取り付けられていたのか中の様子を見ることが出来る。しかしブーメランなので投げた後にそうさは出来ないのかエンチャントレスの弟インキュバスにブーメランが見つかりすぐに壊されてしまう。
スーサイドスクワッドのメンバーの首に付けられた爆弾が本物かどうか疑っていたが確信がなかったため、同じくスーサイドスクワッドのメンバーであるスリップノットに一緒に逃げようと提案。しかし、目の前でスリップノットの爆弾が爆発し爆弾が本物だということを確信する。
フラッシュによって捕まり投獄される。
【スリップノット】
おそらく名前からロープを操り戦うのかなと予測される。
今作品での戦闘シーンはなく、スーサイドスクワッドのメンバーとして街に繰り出した直後にキャプテン・ブーメランのささやきにそそのかされ、ロープを使いビルに登って逃げようとしたところ首の爆弾を爆発させられ早々に退場。
【グリッグス】
ベルレーヴ刑務所の看守長。
看守長らしく囚人であるデッドショットをいじめていたが、ウォラーがデッドショットの腕前を確かめたいとデッドショットを檻から出し、手錠も外し、銃を渡したところでもちろんデッドショットに銃を向けられる。デッドショットもどうせ偽物だと空に向けて引き金を引いたところ実弾が飛び出し命拾いする。
【モンスターT】
ジョーカーの知り合いのギャング。
新しいジョーカーのイカレ具合を出したかったのかジョーカーにすぐに殺されてしまう。
【バットマン】
DCコミックの超大物ヒーロー。
出演を期待していなかっただけに少しでも出てくれたから超嬉しい。
冒頭のシーンでデッドショットを捕まえるところで最初の出演。
ジョーカーとハーレイ・クインとのカーチェイスで2回目の出演。
バットモービルに追走されジョーカーが運転する車はコントロールを失い川へとダイブ。ジョーカーはどこかへ消えてしまったが泳げないハーレイ・クインは車のフロントガラスを突き破った形で水中で動かず。というのは気絶したフリでバットマンが水中に助けに来たところをナイフで襲うがバットマンのワンパンで沈む。そのままベルレーヴ刑務所に収監。
エンドクレジット後にもウォラーと意味ありげに登場。後の作品であるジャスティスリーグのメンバーの書類を確認。
悪人軍団では戦えないと判断しやはりヒーロー軍団を作ろうとしているのか。
【フラッシュ】
デッドショットと同じくドラマ版とは違う俳優が演じる。
キャプテン・ブーメランが宝石強盗をしているところを捕まえる。
ドラマ版ではグラント・ガスティンが演じ、映画版では自身がジェンダーフリーであることを公表し話題になったエズラ・ミラー。
ドラマ版フラッシュでバリー・アレン演じるグラント・ガスティンの人気は絶大で映画に登場するフラッシュに起用されなかったことで抗議が起きたほどだ。
しかし監督いわく、DCコミックの世界観は基本的にダークで暗い。対してドラマ版フラッシュはDCでは珍しくコミカルで楽しい雰囲気があるので世界観の違いから起用しなかったとのこと。
【まとめ】
非常に多い登場人物とインパクトの強いメインメンバーから影の薄いメンバー、さらには前作からの繋がりや、映画のテンポの速さから置いてけぼりおくらってしまった人も多いと思います。
このページで登場人物をおさらいし、あらためてスーサイドスクワッドを楽しんでみたはいかかでしょうか。
今月からAmazoプライムでこのスーサイドスクワッドも見放題作品に追加されてるのでおすすめです。