『ワイルド・スピードX2』(原題:2 Fast 2 Furious)は、2003年に公開されたアメリカのカーアクション映画で、シリーズの第2作目にあたります。本作は、前作『ワイルド・スピード』の成功を受けて制作され、監督はジョン・シングルトンが担当しました。主演は、前作に引き続きポール・ウォーカーが演じるブライアン・オコナーで、新たにタイリース・ギブソンが出演し、ローマ・ブリッグス役を務めました。
『ワイルド・スピードX2』は、ストリートレーシングやカーアクションの興奮を引き継ぎつつ、シリーズ特有の友情や裏切り、家族というテーマがさらに深く掘り下げられています。アクションシーンはもちろん、キャラクター同士の関係が物語を引っ張り、映画全体を盛り上げています。
1. 基本情報
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公開日: 2003年6月6日(アメリカ)
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監督: ジョン・シングルトン
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製作費: 約7,000万ドル
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興行収入: 約2億ドル
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脚本: ジャスティン・リン、ロブ・コーエン(製作総指揮)
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主演:
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ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)
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タイリース・ギブソン(ローマ・ブリッグス)
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ジョン・ルイス(カーマイン・リッポー)
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ローラ・バカリ(モニカ・フェレイラ)
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ティア・トゥレ(シスター・エレナ)
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2. あらすじ
物語は、前作『ワイルド・スピード』の出来事から数ヶ月後、ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)が逃亡生活を送っているところから始まります。ロサンゼルスでのストリートレーシングでの違法行為が原因で、警察を辞職し、今では自らの手で生活費を稼いでいる状況です。しかし、ある日、FBIからの依頼を受け、再び犯罪に関わることになります。
FBIは、ブライアンに「ローマ・ブリッグス」役を演じさせることで、違法なレースで得た資金を洗浄しようとしている薬物王カーマイン・リッポー(ジョン・ルイス)の取り締まりを依頼します。そこでブライアンは、過去の仲間であるローマ・ブリッグス(タイリース・ギブソン)と再会し、彼とともにリッポーの闇のビジネスに潜入していくことになります。
ブライアンとローマは、レーシング技術を駆使してリッポーの信頼を得ていきますが、次第に彼らは裏切りや危険に巻き込まれ、リッポーとの壮絶な戦いが繰り広げられることになります。危険な状況下で、2人は再び友情や家族の絆を深め、命がけの勝負に挑んでいきます。
3. 主なキャラクター
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ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)
本作の主人公。前作でのストリートレーサーとしての経験を活かして、今回はローマと共にFBIに依頼され、犯罪者を追い詰めます。彼は非常に優れたドライビングテクニックを持っており、レーシングシーンでその技術を存分に発揮します。また、自由と忠義との間で葛藤しつつ、仲間を守るために戦います。 -
ローマ・ブリッグス(タイリース・ギブソン)
ブライアンの旧友で、元ストリートレーサー。今回は、FBIの任務に巻き込まれ、ブライアンとコンビを組んでカーマイン・リッポーに立ち向かいます。ローマは大胆で陽気な性格で、ブライアンと絶妙なコンビネーションを見せる役割を果たします。彼の強い友情心と、過去の因縁が物語に深みを加えています。 -
モニカ・フェレイラ(ローラ・バカリ)
本作で登場する女性キャラクターで、リッポーのビジネスに関わっていると同時に、ブライアンとの関係が描かれます。モニカは、ストリートレーシングの世界に巻き込まれていく中で、ブライアンに助けを求めることとなり、物語において重要な役割を果たします。 -
カーマイン・リッポー(ジョン・ルイス)
物語の敵役であり、違法な薬物の取引を行っている犯罪組織のボス。彼は、ブライアンとローマに挑戦を強いるが、次第に二人に追い詰められていきます。リッポーは、冷酷で計算高い人物で、犯罪の世界で成功を収めています。
4. アクションとカーシーン
『ワイルド・スピードX2』では、カーアクションが最大の見どころとなっており、前作同様、ドライビングテクニックが重要な役割を果たします。本作では、さらにスピード感やドリフト、空中を舞うような車のアクションが満載です。特に、ブライアンとローマが違法レースを繰り広げるシーンでは、カーアクションの興奮を十分に味わうことができます。
車両のカスタマイズやチューンアップも本作の魅力の一部であり、レース中に登場する車や、バトルシーンでの車両の挙動がスピード感を増し、映画全体に躍動感を与えています。特に、ボートと車の連携したアクションや、街中での激しいカーチェイスは観客を圧倒します。
5. 映画のテーマとメッセージ
『ワイルド・スピードX2』は、前作と同様に「家族」というテーマを中心に展開されています。ドミニクが語ったように、「家族とは血のつながりだけでなく、仲間を信じ合うこと」 というメッセージが本作にも反映されています。ブライアンとローマの間には、家族以上に強い絆が築かれており、その絆が二人の間で描かれています。
また、アクションとカーチェイスのスリルを楽しむだけでなく、友情や裏切り、自己成長といった人間ドラマが映画全体に強い影響を与えています。ブライアンが忠義と信念の間で葛藤し、ローマが過去を乗り越えて前進する様子が感動的です。
6. 評価と反応
『ワイルド・スピードX2』は、前作に比べると少しスピード感やスリルが控えめに感じられた部分もありますが、アクション映画としては非常に楽しめる作品となっています。カーアクションに加えて、ローマとブライアンの友情が物語を引き立て、キャラクターの魅力が全面に出ているため、ファンからは高評価を得ました。
一方で、物語の展開やキャラクターの深みについては賛否があり、前作のような衝撃的な要素や新鮮さが少し欠けるとの意見もありました。しかし、シリーズ全体として見ると、ドミニクを離れたブライアンの新しい友情と冒険を描いた作品として、次作への橋渡しを果たした意味でも重要な位置づけとなっています。
7. まとめ
『ワイルド・スピードX2』は、前作の成功を受けて制作された続編で、カーアクションとストリート
レーシングの興奮を引き継ぎつつ、友情や絆を深く掘り下げた作品です。ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)の不在が少し寂しく感じるものの、ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)とローマ・ブリッグス(タイリース・ギブソン)という新たなコンビの活躍が映画に新たな魅力を加えています。
本作は、カーアクションが主役である一方で、友情、家族、裏切りといったテーマを真剣に扱い、視覚的な興奮だけでなく、感情的にも観客を引き込む要素を持っています。ブライアンとローマが織りなすダイナミックなコンビネーションは、映画のエネルギーを高め、シリーズが次第に成長していくための基盤を作りました。
本作の強みは、そのアクションの迫力だけでなく、登場人物たちの成長や関係性の深まりにも焦点を当てている点です。ストリートレーシングに対する情熱や友情、過去の痛みを乗り越えるための努力が描かれ、観客に共感を呼び起こします。カーチェイスや爆発的なアクションの中にも、キャラクターたちの個性や成長がしっかりと反映されており、シリーズファンにとっては欠かせない作品となっています。
シリーズを通して、車を愛する人々、家族のような仲間たち、友情を大切にする姿勢が共通のテーマとして描かれており、その後の続編へと繋がる重要な橋渡しをした作品と言えるでしょう。
『ワイルド・スピードX2』は、アクション映画としてはもちろん、キャラクター同士の絆や友情を描く人間ドラマとしても楽しめる内容となっており、カーアクションとともに深いメッセージを届ける映画です。
原題「2FAST 2FURIOUS」
【登場人物】
・ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)
「元」ロス市警巡査
本作ではカリスマストリートレーサーとして登場
・ローマン・ピアーズ(タイリース・ギブソン)
ブライアンの幼馴染の黒人。
車泥棒や強盗などの前科があり、ブライアンが警察官になったタイミングで逮捕されたためブライアンが自分を売ったと思い込んでいる。
今ではドミニクファミリーの主要メンバーとなっているローマンだが本作がシリーズ初登場。
ファミリーのムードメーカー的存在。
・カーター・べローン
麻薬密売組織のボス。警察にも影響を及ぼすほど権力をもっていて自身への警察からの操作を妨害させるなど行う。
・モニカ・フェンテス(エヴァ・メンデス)
FBIの潜入捜査官。敵の麻薬組織のボス、べローンに気に入られ秘書兼愛人的ポジション。
主人公ドミニクのファミリーではないにしろFBI捜査官としてシリーズを通して出演の多い人物。
・テズ・パーカー
マイアミのすべてを知るマイアミの顔。
ストリートレースを取り仕切る。過去に車での事故を起こして以来自分でカーレースには出ていない。
今ではすっかりファミリーの一員のテズですが初登場はこのワイルドスピードX2。今とは違って初登場時はインパクト抜群のアフロヘアでした。
・スーキー(デヴォン・青木)
テズの元恋人。カーレーサーで女性なのにドライビングスキルも一流。
・オレンジ・ジュリアス(アマウリー・ノラスコ)
日本車である赤いマツダRX-7に乗るストレートレーサー。
夜のレースなので顔がはっきり見えにくいが、プリズンブレイクにのスクレ役として出演していた俳優。
【監督】
ジョン・シングルトン
【ストーリー】
警察を退職しストリートレーサーとして生活していたブライアンが主人公。
ある日レース後にFBIに捕まってしまうが、罪を見逃してもらう代わりに再び潜入捜査をするハメに。
今回潜入捜査をするにあたって相棒にFBIのダン捜査官を推薦されるがブライアンからのでまかせの車の用語に理解できないまま答えてしまい、使い物にならないと却下されてしまう。そして相棒として選んだのが幼馴染のローマン・スピアーズ。
2人は麻薬組織に潜入するもボスであるべローンに信頼されてないうえに、べローンの愛人であるモニカがブライアンと仲良さげに話していることに嫉妬し抹殺されそうになる。
しかりブライアンとローマンももちろん黙ってやられはしない。
麻薬の運び屋としてべローンの仕事はするが相手の裏をかく手段も用意して戦いに挑む。
【感想】
ワイルドスピードの2作品目であるワイルドスピードX2にはファミリーのボスであるヴィン・ディーゼル演じるドミニクトレットは出演していなかったんですね。
最近の新しいワイルドスピードではドミニクのファミリーのボスとしての圧倒的存在感は当たり前だったので、ワイルドスピードの3作品目の東京が舞台のワイルドスピードXTOKYOを除いてドミニクが出演していないワイルドスピードを忘れてしまったいる方も多いんではないでしょうか。
そして、ドミニクの代わりに今ではすっかりおふざけキャラクターとして定着しているローマンだが、ブライアンとW主人公的ポジションの本作品。
前作ではドミニクの妹ミアと潜入捜査中にもかかわらず本当の恋に落ちたかのように見えたが、モニカの魅力に惹かれていくブライアン。
レース中のバック走行や助手席にいるモニカを見つめながらの走行など前作よりもブライアンのドライビングスキルの上達も見ていて爽快感抜群。
監視しているFBIを欺くために倉庫で車を乗り換え、大人数の仲間たちが追跡を錯乱させるために倉庫から大量のド派手な車が出てくるシーンはテンション上がりまくり。
一番最後の逃げるクルーザーの車でのダイビングはスカッとしました。